本コースのねらいと学習手法の特徴

 このコースでは主としてパワー半導体デバイスとその応用を理解するためのカリキュラムを実施します。その中でも特にワイドバンドギャップ(WBG)のSiCやGaNなどのパワー半導体デバイスを用いたインバータ・モジュールの実装に焦点を当て、インバータの設計・組み立て、WBGパワー半導体の実装プロセス、実装材料、熱解析、シミュレーション、信頼性試験等の一連の技術をeーラーニング、見学・講義、スクーリングによって系統的に学ぶことができます。
 本カリキュラムは、これまで8年間にわたりこの分野の実用化を研究してきた産学一体のプロジェクト(KAMOME-PJ)メンバーの豊富な実績の積み上げから、現状を踏まえ、発展を期して立案いたしました。12講座は選択制となりますが、全講座受講を推奨します。

 ステップ1 e-ラーニングで学ぶ(PCやタブレットでいつでもどこでも学べます)
        1講座は約90分程度、約10~15分毎の7単元に分けて理解を確認しながら学習します
 ステップ2 見学・講義に参加して試作現場や各種評価設備の理解を深める
 ステップ3 スクーリングに参加して、受講した疑問点や技術動向を講座講師と質疑応答

 e-ラーニングを活用することにより、高いレベルの講義をいつでもどこでも受講出来、効率的な学習が出来ます。また、理解度テストや講師への質問により疑問点を解決できます。LMS(ラーニング・マネジメント・システム)を使うことで教育管理者が学習の進捗を把握することが出来ます。

開講日程(予定)

e-ラーニング:上期講座(6月~8月) 下期講座(11~1月)
見学 ・講義  :上期講座(9月)   下期講座(2月)
スクーリング:上期講座(9月)   下期講座(2月)

会場

見 学・講 義 :シーマ電子㈱設計・試作・評価センター(韮崎市龍岡町下条南割995番440)
       神奈川県産業技術総合研究所(KISTEC)(海老名市下今泉705-1)

スクーリング:横浜国立大学(横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5)

主な受講対象者と習得目標

広義のパワーモジュール実装分野に従事する技術者,研究者,経営企画等

 技術者の方:パワーモジュール等の設計や開発にあたる技術を体系的に学ぶ
 研究者の方:封止・接合材料やデバイス等パワーモジュール実装に関する周辺技術を学ぶ
 企 画  の方:パワーモジュール開発に関する技術課題と事業のヒントを見つける

受講条件・関連科目

特になし

教科書・参考書

教科書:受講メモ冊子(スライド毎にメモを記入出来ます)
参考書:「WBGパワー半導体実装ハンドブック(仮題)」(出版予定)

学習の3ステップ

1.e-ラーニング

パワーエレクトロニクスの最先端技術を手軽に学ぶためのe-ラーニングシステムにより、次ページの表に示す12講座を提供します。Webサイト「横浜パワエレカレッジ」にログインすることで、購入した講座をいつでもどこでも学習することができます。

  • 各講座は90分程度、7単元程度に分かれていて、単元順に理解度テストがあります。
  • 学習内容を効率的に整理できる「受講メモ」をダウンロードでき、活用頂けます。   
  • システム上で、受講者相互の意見交換や情報共有、講師への質問などが出来ます。
  • パワエレ研修研究会法人会員の社内教育ご担当者には、受講者の学習進捗状況を報告致します。

 講義画面のサンプル

受講メモのサンプル

2.見学・講義

パワー半導体デバイスの実装や製造で最先端の設備を保有する以下の2か所の見学会を実施します。

①シーマ電子株式会社

設計・試作・評価センターでは、パワーモジュール(パワーデバイス、各種パッケージ)の試作工程を見学します。また、試作のみならず、パワーサイクル試験/TEG、静特性測定、熱抵抗測定などについても詳しく講義します。(ただし、同業の方にはご遠慮いただく場合もありますのでご了承下さい)

②神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC

「パワーモジュールの解析評価と設備」(講師:高橋邦明・八坂慎一)の講義受講後、パワー半導体デバイスやパワーエレクトロニクス機器の各種試験、評価設備を見学します。

※各見学会には定員がありますので、詳しくはその都度ご案内いたします。

シーマ電子㈱でのクリーンルームの見学風景

3.スクーリング

  • 横浜国立大学で年2回以上、e-ラーニング期間終了後に開催いたします。
  • 予め日程と出席講師をご連絡しますので、お聞きしたい内容をお知らせ頂きます。お聞きしたいことが特に無い場合でも情報収集などとしてご参加いただけます。
  • 詳しくはその都度受講生にご案内いたします。
  • 最先端の研究開発に従事する特別講師をお呼びしての講演も検討中です。

e-ラーニング講座カリキュラム(各講座90分程度)

講座番号
テーマ  講師
講義概要
A01

WBGパワーデバイスの技術開発動向

山本 秀和(千葉工大)

WBG半導体はパワーデバイス用として優位な物性値を有しており、試作されたデバイスの特性は良好である。しかしながら、本格的な量産に向けては課題が山積しており、今後の展望について解説する。

A02

車載用パワーモジュール

冨永 保(前カルソニックカンセイ)

実装技術をパワー半導体の車載応用技術として捉え、信頼性確保に必要な実装構造や要素技術を紹介すると共に技術・材料開発の方向性を検討する。

A03

パワーデバイスと実装(自動車系)

谷本 智(日産アーク)

次世代パワーデバイスSiCやGaNなどを用いた高速スイッチング高効率高出力密度インバータ・パワーモジュールの重要実装技術と信頼性設計について詳述する。

A04

Si,SiC,GaN等の結晶とウエハ

羽深 等(横国大)

半導体シリコンおよびWBG半導体(炭化珪素、窒化ガリウムなど)の単結晶育成、ウエハ加工、エピウエハ製造法、結晶欠陥、特性比較、開発状況等について述べる。

A05

パワーモジュール実装材料(封止樹脂)

石井 利昭(日立製作所)

パワーモジュール実装材料として、パワー半導体封止材の機能および材料設計技術を概説する。パワーモジュールの開発動向および課題、高性能化に向けた取り組みを解説する。

A06

パワーモジュール実装材料

(セラミックス)

多々見 純一(横国大)

SiCパワーモジュールで用いられる絶縁放熱基板用セラミックスの機能と信頼性の発現メカニズムと製造プロセス、および、セラミック基板材料開発の最前線について解説する。

A07

パワーモジュール実装材料(接合材)

山田 靖(大同大)

自動車の電動化に関する概要を述べたのちにパワー半導体の接合に求められる要件に関して説明し、近年研究が行われている接合技術を紹介する。

A08

パワーモジュールのシミュレーション

于 強(横国大)

実験では明らかにできないパワーモジュールの温度分布を正確にシミュレーションできる解析技術および接合信頼性などの評価手法を紹介する。

A09

パワーモジュールのサーマルマネジメント

畠山 友行(富山県立大)

パワーモジュールを構成する半導体チップからの発熱、基板や実装材料を通した熱拡散、放熱機構から外気への伝達を含んだ、熱管理の基礎と応用について解説する。

A10

パワーモジュールの信頼性評価

澁谷 忠弘(横国大)

パワーモジュールの信頼性について、信頼性工学の基礎理論からヘルスモニタリングなどを含んだ最新の故障予知理論について具体例を取り入れつつ解説する。

A11

WBGパワーデバイスによるビジネス展開

宮代 文夫(YJC)

WBGパワーデバイスを用いたビジネスは2015年から本格化したといえる。まずはシステムコンポーネントとして用いた鉄道システムから実用化が始まり、汎用デバイスとしてEV,HEVへの搭載も始まってきた。酸化ガリウムの登場を含め最前線と将来動向を展望する。

A12

WBGパワーデバイス・事業展開への課題

高橋 良和(東北大)

「企業における体験」も踏まえて、WBGパワーデバイス 関連事業展愛への各種課題を検証する。