本コースのねらいと学習手法の特徴

 電気を2次エネルギーとして捉え、その振幅や周波数を高効率に変換することができるパワーエレクトロニクス技術は、地球環境問題の切り札として現代社会を支える重要なインフラ技術となって進化しています。その特徴は幅広い知識と技術に基づいた総合工学技術である点です。
 ベーシックコースでは、スイッチングを行う各種パワー半導体デバイス、各種電力変換回路およびそのモータ制御を含めた、4種類の実験を用意しました。この実験内容を十分に理解するために、以下の5つのステップで学習します。

 ステップ1 自  習:無料のビデオ講座(全10巻)により基礎知識を習得する
 ステップ2 事前学習:基礎技術解説ビデオにより実験内容を理解する
 ステップ3 直前学習:実験手順解説ビデオにより実験手順を把握する
 ステップ4 実  験:パワーエレクトロニクスの実際を体感する
 ステップ5 復  習:実験レポートを作成提出し、講師からフィードバックを貰う

 実験を中心とする学習方法により、知識と実態を同時に習得できます。その結果、パワーデバイスからシステムまでを含めたパワーエレクトロニクスの基礎を俯瞰し習得することができます。

開講日程(予定)

毎年度 5月下旬、8月下旬、11月下旬、1月下旬

会場

横浜国立大学(横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5)

ご要望に応じて、貴社へ出張いたします。(場所・日程 応相談)

主な受講対象者と習得目標

広義のパワーエレクトロニクス分野に従事する技術者,研究者,経営者等

 若手の方: パワエレ技術を体系的かつ実践的に学ぶ
 中堅の方: パワエレ分野を俯瞰して自分の専門性をさらに深堀りする
 管理職の方:パワエレ分野を俯瞰して技術課題と新事業のヒントを見つける
 事業家の方:パワエレ分野を俯瞰して市場の動向やトレンドを予測する

受講条件・関連科目

基礎電気回路理論:既習として進める
基礎電気機器学、基礎制御理論:既習が望ましい

教科書・参考書

教科書:横浜パワーエレクトロニクスカレッジ ベーシック・コース テキストと実験書
参考書:「パワーエレクトロニクス学入門」河村篤男他著、コロナ社(2009年)
    「パワーデバイス」山本秀和著、コロナ社(2012年)
    「現代パワーエレクトロニクス」河村篤男著、数理工学社(2005年)

 

実験テーマ

A.基礎電子回路実験      

パワーエレクトロニクスを習得するのに必要な電気回路の基礎を確認、実測する。電子回路用半導体デバイスの基礎特性を観測し、パワー半導体を学ぶ準備を行う。

【実験内容】
ブレットボード上に作製した回路で以下の測定を行う。

  • RLC回路の応答
  • pinダイオードの静特性・動特性、逆回復電流、整流器特性
  • BJTとMOSFETのオンオフ特性

【修得内容】
パワーエレクトロニクスを習得するための基礎となる電気回路理論のポイントが分かる。

B.パワーデバイスのスイッチング特性測定実験

Si-IGBT, SiC-MOSFET, GaN-HEMTの各種パワー半導体デバイスのスイッチング特性をダブルパルス試験により実測,比較する。

【実験内容】
仕様の異なる8種類の実験回路を用いてダブルパルス試験を行う。最大で600V, 50Aを扱う。

  • Si-IGBT 4種類
  • SiC-MOSFET 2種類
  • GaN-HEMT 2種類

修得内容
パワー半導体デバイスの評価方法を習得し、適切なデバイス選定が出来るようになる。

C.チョッパ回路製作実験

受講者自身がチョッパ回路を設計し、製作する。実装や小型化の難しさを体感する。

【実験内容】
受講者毎に、電圧20V、出力電流2A程度の降圧チョッパ回路を設計・製作する。デューティ比と出力電圧、リプルの関係を実測するとともに、電磁ノイズのもととなるサージ電圧を観測する。

修得内容
電力変換回路の設計と実装、基板パターン設計の基礎を習得し、評価試験を行えるようになる。

D.モータ制御実験

インバータとデジタルコントローラを用いてPMモータの速度制御を行う。

【実験内容】
インバータをデジタルコントローラにより制御し、PMモータの電流制御、速度制御(ベクトル制御)を順に行う。さらにPSIMシミュレーションによる制御系設計の基礎に触れる。

修得内容
三相インバータを用いたモータ駆動制御の基礎を習得し、シミュレーションを通して制御系を設計出来るようになる。

各実験テーマの教材

カリキュラム

横浜国立大学を会場として3日間で開催するYNUと指定された場所へ出張して1日で開催するTravelの2つの受講形態を用意しています。また、パワーエレクトロニクス研修研究会の法人会員様へは、ご要望に合わせてカリキュラムを個別に提案いたします。

※Travel型を受講するためにはパワーエレクトロニクス研修研究会のプレミアム法人会員となる必要があります。

YNU型:横浜国立大学開催(3日間)

1回当たりの受講人数:6~18名(標準12名)

Travel型:出張開催(1日間)

1回当たりの受講人数:6~18名(標準12名)